知識ゼロからの仏教入門

○この本を選んだ理由

心の平穏を求めるために必要な救いを求めたから

 

知識ゼロからって事でお釈迦様の誕生から始める仏教の歴史が書いてあって非常に読みやすかった。

 

酸いも甘いもしゃぶり尽くしたお釈迦様がたどり着いた境地は「中道」。

どちらにも偏った考え方をしないで正しい目を持って世の中を見る。

曖昧になるという意味ではなくフラットな目線を持つという事だと思う。

どう考えてもそれが一番難しいだろお釈迦様!

おそらくこの中道を極めるには相当な勉強と修行が必要なんだろう。

だからこそお坊さんは寺に籠もって修行を重ねていたのだと思う。

地位を向上させたお坊さんでさえも権力と結びつき腐敗をして行ったとも歴史に刻まれているのでこれは一般庶民には到達出来ない極地なのではないだろうか。

力を手にしたら欲に溺れるのもまた人間の性なのかもしれないが…

 

諸行無常という言葉は平家物語にも登場する有名なフレーズ。

すべてのものは移ろいゆき不滅なものなどない。

だからこそ不安になるなと説いている。

高速に変化していく社会の中で生きていると自分の生活、もっと言えば自分自身が脅かされるという漠然とした不安に駆られる事が多々ある。

先行きが一切の暗黒に包まれている日常だからその不安を明確に解消することも出来ない。

だが安心して欲しい。

すべてのものは移ろいゆき不滅なものなどない。

この真理を知っていればその漠然とした不安を抱く事はごくごく自然のものだと自覚することが出来る。

これで移ろいゆく社会の中で変化していく生活は当たり前になった。

我々は流れに身を任せるがまま生きていけば良い。

この本で一番関心したのは前半のこの部分だった。

早々に救われた気持ちになった。

 

ただし流れに身を任せるとはいってもただただ何もしないで生活すればいいと言うわけでもなさそうだ。

仏教は紆余曲折を経て中東、中国から日本に渡り今日の日本仏教として根をさした。

そこには鑑真を始めとして壮絶な努力と信念の歴史がある。

詳しくはもうめんどくさいから書かないがそういった時代の波に順応しようとする行動もまた見習わなければならない精神だと思う。